この週末はダイパリメイクが届いて、主人とプレイして、仮面ライダーオーズを観るという一日を送りました。
それからそれぞれの場所で本を読んで、私は読み差しの田山花袋『東京の三十年』を読み進めました。
特に国木田独歩との交流を描いた「KとT」が名随筆で、読むたびに当時の文壇とそこに立ち向かう若者たちの熱い心意気が伝わってくるようです。
花袋の上昇志向の強さは、今の若者たちとそう変わらないのかもしれませんが、それにしても読書量とその熱意がハンパではありません。
モーパッサンが並んだ書店へ行って売れたか売れないかに一喜一憂し、いざ手に入ったら恋人同然に大切にする想いの熱さや、友と文学を語り合う日々の青春の煌めきがぎゅっとこの一冊に濃縮されています。
また東京の失われゆく風景の寂寥の想いも如実に伝わってきて、花袋は生前紀行文を誉められていたそうですが、私にしてもこうして随筆は愛読しても、彼の小説は読まないので、その評価は確かなものだったのだろうなと思います。本人は至って不本意なようで、そんなところも可愛らしいですね。
ブクログを確認したところ、前回読んだ時に引用したフレーズがたくさん残っていて、私はこの本が本当に好きなのだなということを実感しました。
夕方のお茶の席で、主人に『東京の三十年』について語ったところ、とても興味を持ってくれたようで、「俺も買おうかな」とのこと。
我が家は本の貸し借りもしますが、基本的には読みたい本は自分で買うのが暗黙のルールなので、買ってくれるといいなぁと思います。
それから主人とさらに本の話になり、「読書術についての本を集めようと思ってるんだ」と云うので、私が買っていたブックガイドの雑誌をシェアすることにしました。
それぞれ趣向の違ったアプローチで本を紹介していて、なかなか面白い雑誌たちです。
私は『趣味どきっ! 本の道しるべ』の影響で、復刻版の高村光太郎『智恵子抄』を買いましたし、『&Premium あの人の読書案内。』を読んで、絵本『ふくろうくん』を再読しました。
雑誌ということもあり、ちょっと疲れた気分の時にも読みやすいのがいいですね。
ブックガイドの雑誌は今後とも集めていきたい本のジャンルの一つです。
それから五島うどんの地獄炊きを作って、ルピシアの「おまえさま」でお茶をして、しばらくオーズについて語らいました。
推しコンテンツをシェアしてもらって語り合えるひとときは何よりも楽しく、心が満たされました。
オーズもすでに30話ほど観ているので、だんだん残りわずかとなってきたのが惜しく、主人は「絶対にロスになるから、写真集とか欲しいよね」とすっかり乗り気な様子でした。
もしかしたら近いうちに買うことになるかもしれません。
そうして家の中でも楽しいひとときを過ごせたことが、一つの大きな自信にもつながりました。
ここのところ落ち込むことが何かと多かったので、この日はいつもより前向きな気持ちでいられたかなと嬉しかったです。