出身地・長崎では、厄入りに長いものを贈るという風習があり、昔は帯などを贈っていたそうです。
私は今年32歳になる年で、満33歳なので、厄入りに当たる年齢なのだそうです。
厄年の方への贈り物として、「長いもの」が良いと言われています。男性だとネクタイやベルト、女性だとネックレスなどのアクセサリーがあります。
なぜ「長いもの」かというと、古来より長いものには長寿を願う気持ちが込められていると言われています。厄除け・厄払いは古くは平安時代の源氏物語にも記されており、1200年も昔から受け継がれてきたものです。その時代の平均寿命の統計はたしかなものはありませんが、一番古い統計として1890年代のものでも「男性42歳」「女性44歳」と現在の約半分程度の平均寿命でした。
このようなことからも、厄年という人生の節目節目に長いものを送ったことは、長寿を願った先人達の思いが感じられます。
そのような風習に則って、実家からクロスモティーフのダイヤのネックレスを贈ってもらいました。
中央には天然のピンクダイヤモンドの石がはめ込まれています。
思いのこもった手紙も寄せてくれて、両親の心遣いにはとても感謝しています。
ヴァンドーム青山などのブランド物がいいかと母に訊かれたのですが、どうしてもクロスモティーフのものが欲しかったのと、ブランド品にはさほどこだわるタイプではないので、地元長崎のジュエリーメーカーである永田宝石店のお品を贈ってもらうことになりました。
愛郷心が人一倍強い私にとってはかけがえのない宝物となりそうです。
クロスモティーフにこだわったのには、さまざまな背景があるのですが、ここのところ創作で悩んでしまうことが多く、私のルーツの一つで、地元長崎のミッションスクールで学んだ、キリスト教カトリックの精神を思い出して、ようやく立ち直れたという経緯があったからなのでした。
カトリックに帰依しようかと随分と迷った時期もありましたし、今でも時々悩みますが、たとえ洗礼を受けられなくても、その精神性を重んじることが、私にとっては重要なのだと思っています。
キリスト教の根づく、地元長崎の宝飾品店のお品ということもあって、なんだか特別な一品のように感じられて嬉しい限りです。
また種村有菜『神風怪盗ジャンヌ』で育った少女漫画脳の人間としては、クロスモティーフのネックレスがお守りなのは、やはり心がときめきます。
厄入りということで、実はそこそこ大きな厄に見舞われたばかりなのですが、このネックレスをお守りにして、少しでも厄除けができればと思います。