雪兎の小部屋

病弱専業主婦の日々

「擬態」で家事をやってみたら、負担感が軽減されて、家事の楽しさが蘇ってきました。

ここのところ手荒れがひどく、皮膚科への受診を考えたのですが、隣駅ということもあって持病の不調のためためらってしまい、結局行かずじまいのまま夏が終わって秋になってしまいました。

この間、ワセリンをリビングと自室の二箇所に常備することにして、家事の終わりや一日が終わった後に保湿してきました。

たかが手荒れごとき、我慢すればなんとかなると思っていたのですが、保湿以外は放置していると、湿疹が生じて、やがて強い痒みやひび割れになってしまい、見るも無惨な有様です。

好きだったセルフネイルもなかなか楽しめなくなってしまい、気落ちすることが多かったなと思います。

市販のハンドクリームでは到底追いつかないので、保湿クリームではワセリンだけが私の味方です。

そんな日々がつづくうちに、家事を負担だと感じてしまう日が増えて、つい主治医にも愚痴をこぼしてしまい、情けないなぁと思って落ち込んでいました。

そのような中で週明けを迎え、いつもならぐったりする月曜日でしたが、この日はなぜかよく体が動いて、家事を片づけることができました。

きっかけは「主婦休みの日」という文言をインスタで見かけたことでした。

元々負けん気の強いタイプなので、休んでいいよと云われたら、もっと頑張ろうと思ってしまうのです。

そうして家事の合間にいただきものの静岡茶を淹れたり、甘酒を手にルピシアの会報誌を眺めたりしてリラックステイムも設けました。

この日はフィジカルの調子が悪かったものの、ネットスーパーの受け取りを済ませるところまで家事を完遂して、充実感に満ちた夜を迎えることができました。

翌朝、主人が仕事に行く前にお手製のサンドイッチを振る舞って、この日も家事に励みました。

以前読んだ精神科医・バクさんの本『ゆるメンタル練習帳』に、対人関係などで困ったときには「擬態」をするといいと書かれていました。

「擬態」とは何かになりきったつもりで自分ではなく他人の仮面をかぶって過ごしてみることで、私はここのところとあるキャラクターになりきったつもりで家事をしたり、愛猫・冴ゆのお世話をしたりしていたのですが、個人的なブームが去ってしまい、新たな擬態先を探していました。

そうしたときに蘇ってきたのが、幼少期から愛読してきた茅田砂胡さんの作品に登場するルウというキャラクターの存在で、彼がその昔、とあるキャラクターの仮の母親として家事育児に励んでいたというワンシーンが『海賊王の帰還』に描かれているのを思い出しました。

私はどちらかというと茅田砂胡作品ではもっぱらシェラ・ファロットというキャラクターがずっと好きだったのですが、うろ覚えながらルウが「くるくるとよく動く手だった」と作中で主婦を演じているときに描写されている文章があり、そんなふうに動けたらいいなと強く思います。

元々私が好きなシェラも茅田砂胡作品の『コーラル城の平穏な日々』の中で侍女として働く描写がとても好きで、時折読み返しています。

そうしてフィクションの力を借りながら、時に自分自身のメンタリティを利用しながら、日々の家事をもっと楽しく、より気持ちよく行えるといいなと感じたのでした。